HACCPと聞いたとき、大手の食品メーカーなどが導入を行っている衛生管理手法のイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。衛生管理は食の安全を約束するために欠かせない業務になりますが、食のトラブルには食中毒や異物混入などがあり食中毒においては工場よりも飲食業界の割合が高いとされます。そのため、飲食業界もHACCPを導入する必要性があり完全義務化に伴い個人で営業を行っている小さな飲食店なども導入しなければなりません。従来の衛生管理は、工場などの場合であれば完成品の抜き取り検査や従業員の健康状態の把握などが中心になっていて、原材料の受け入れや保管におけるチェックや温度管理などは徹底されたものではなかったといいます。
もちろん、工場の中には受け入れ検査を実施して安心して食品加工ができる素材であるのか否かを検査、これに通過したものだけを利用している会社も少なくありませんが、記録をすることや生産工程の中での検査固定などについて細分化していないケースが多く、その結果異物混入などの問題が起きることもありました。ちなみに、異物混入の中には生産工程の中ではありえないものが混入するといったケースもありますが、これはHACCPによる衛生管理での考え方で行うことで異物混入のリスクを可能な限りゼロに導くことができるようになります。これは食品を購入して利用する消費者の安心だけでなく、不具合を出さないよう業務を可能にする企業側にも大きなメリットになる部分ではないでしょうか。